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第4話 静的サイトという解決策 New!

第4話 静的サイトという解決策

 

タクミ

先生、「静的サイト」って何ですか?
静かなサイト?

アオイ先生

いい線です。サーバーの上で何もプログラムが動かない、
できあがった HTML と CSS と JavaScript を置いておくだけのサイトです。

アオイ先生

WordPress はページを開くたびにプログラムがページを組み立てますが、
静的サイトは組み立て済みのページをそのまま返すだけ。

タクミ

それだと何がいいんです?

アオイ先生

まず安全です。サーバー側で実行されるプログラムがないので、
乗っ取りの入り口になる脆弱性がほとんどありません。

アオイ先生

管理画面もデータベースもないから、
不正ログインされる場所すら存在しないんです。

タクミ

更新地獄からも解放される…!?

アオイ先生

WordPress 本体やプラグインの更新は不要になります。
それから、速い。組み立て済みだから表示は一瞬です。

アオイ先生

極めつけはこれ。Cloudflare Pages などの配信サービスなら、
ホスティング費用は無料です。

タクミ

無料!? 今、サーバー代に月1000円払ってるのに!?

アオイ先生

静的ファイルの配信は世界的に安くなっていて、
個人や店舗のサイト規模なら無料枠で足ります。

タクミ

でも、お知らせとかメニューの変更はどうするんですか?
HTML を手で書くのは無理ですよ。

アオイ先生

今は Markdown などの原稿から HTML を自動生成するツールがあります。
原稿を直して、生成して、アップロードするだけです。

アオイ先生

お問い合わせフォームが必要なら、
フォームだけ外部サービスを使う手もあります。

タクミ

そういえばうちのフォーム、
ロボットみたいな英語の投稿がいっぱい来てました。

アオイ先生

ボットのスパムですね。フォームやコメント欄は自動投稿の標的になるので、
reCAPTCHA のような「人間かどうかの判定」を付けるのが定番です。

タクミ

あの「信号機の画像を全部選べ」ってやつですか。
僕、何回やっても間違うんですよね…。

アオイ先生

そう、あれはお客さんにも負担なんです。
しかも導入や更新の手間が増えて、すり抜けるスパムもゼロにはなりません。

アオイ先生

そして一番影響が大きいのはここ。reCAPTCHA は
フォームのページだけでなく、サイト全体に組み込まれることが多いんです。

タクミ

役所とか支援機関のサイトの隅にいつもある、あの青いマークですか?

アオイ先生

あれです。全ページで Google のプログラムを読み込むから、
サイト全体の表示が重くなって、訪問者のアクセス情報も毎回 Google に送られます。

タクミ

お問い合わせフォーム1個のために、
サイト全部とお客さん全員が影響を受けるんですか!?

アオイ先生

しかも、です。その reCAPTCHA も、
無料で使えた旧版は2025年末でサポート終了になりました。

タクミ

ええっ!? あんなにみんな使ってるのに!?

アオイ先生

今は Google Cloud への移行が必須で、無料枠は月1万回まで。
超えたら有料です。アカウントや請求の管理も増えました。

タクミ

回数で課金…? ちょっと待ってください。
じゃあ、ボットが大量に押し寄せたら…。

アオイ先生

そう、検証1回ごとの従量課金だから、攻撃されるほど
防御側の請求額が増えるんです。あなたの支払い額を決めるのは、攻撃側。

アオイ先生

AI ボットの通行量はこれからますます増えます。
小さなサイトほど、この矛盾の直撃を受けることになる。

アオイ先生

外部サービスに頼るということは、相手の都合による
仕様変更・有料化・終了とずっと付き合い続けるということなんです。

タクミ

でも、お金を払ってでも付けておけば安心なんですよね?

アオイ先生

それが…最近の AI はあの画像パズルを人間より上手に解くんです。
研究では突破率100%という報告まで出ています。

アオイ先生

「クイズで人間かどうかを確かめる」という発想自体が
AI の時代には通用しなくなってきている。Google 自身も
パズルをやめて、行動から機械を推定する方式に移っています。

タクミ

お客さんには面倒をかけて、ボットには突破されて、
お金もかかる。それって一体何のためなんですか!?

タクミ

あ、でも先生、さっき言ってた「フォームだけ外部サービス」なら
大丈夫なんじゃないですか? 自分で reCAPTCHA を入れなくて済むし。

アオイ先生

実は…その外部フォームサービスのスパム対策も、
中身は「reCAPTCHA 標準搭載」なんです。土台は同じ。

タクミ

ええっ!? どこへ逃げても reCAPTCHA!?

アオイ先生

そういうことです。フォームという仕組みである限り、この問題からは
逃げられません。「Web のフォーム」自体が、AI の時代にはもう成立しないんです。

アオイ先生

そして思い出してください。小さなお店のサイトが WordPress のような
「動く仕組み」を必要とした理由は、実はほとんどフォームだけでした。

アオイ先生

フォームが成立しないなら、動く仕組みを持つ理由も消える。
連絡は電話や SNS、LINE で置き換えられます。
「守るものを持たない」のが一番強いんですよ。

タクミ

うちのサイトって、メニューと営業時間と地図と写真だけです。
…あれ? 動くプログラム、何も要らなくない?

アオイ先生

そう、それが答えです。
世の中の小さなサイトの多くは、実は静的サイトで十分なんですよ。

タクミ

僕、静的サイトに引っ越します!

アオイ先生

次回は最終回。私の知っているあるサイトが、
WordPress から静的サイトにたどり着くまでの20年の話をしましょう。